令和7年9月1日から、杉並区にお住まいの0歳から2歳までのお子さんが特定の障害福祉サービスを利用する際の利用者負担額が無償化されます。これまで国の制度で3歳から5歳までのお子さんは無償化の対象でしたが、その範囲が広がることになります。子育て世代の経済的負担を軽減し、早期からの支援につながりやすくなる、とても大切な変更です。この記事では、この新しい制度の対象となるサービスや条件、そして気になる手続きの方法について、分かりやすく解説します。
0歳から2歳のお子さんも無償化の対象となります
今回の制度変更の最大のポイントは、これまで自己負担が必要だった0歳から2歳のお子さんの利用者負担額(原則1割)がなくなることです。これは東京都の新しい事業によるもので、杉並区でも令和7年9月の利用分から適用されます。障害は個人の問題ではなく、社会にある障壁によって生じるという考え方に基づけば、費用の問題で必要な支援をためらう状況は、まさに社会が作る障壁の一つと言えます。この制度は、その障壁を取り除くための重要な一歩です。なお、
食費やおやつ代など、現在実費で負担している費用は、引き続きお支払いが必要ですのでご注意ください。
対象となるサービス
今回の無償化の対象となるのは、以下の3つのサービスです。
- 児童発達支援:障害のある未就学のお子さんが、日常生活での基本的な動作の指導や、集団生活への適応訓練などを受けられるサービスです。
- 居宅訪問型児童発達支援:外出することが著しく困難な障害のあるお子さんのご自宅を訪問し、発達支援を提供するサービスです。
- 保育所等訪問支援:お子さんが通っている保育園や幼稚園などに支援員が訪問し、集団生活への適応をサポートするサービスです。
対象となるお子さん
上記の対象サービスを利用する、0歳から2歳までのお子さんが対象です。具体的には、年度の途中で満3歳になったお子さんも、その年度の終わり(3月31日)までは無償化の対象に含まれます。
保護者の方に特別なお手続きは必要ありません
この無償化にあたり、保護者の方が区役所へ特別な申請手続きを行う必要はありません。すでにサービスをご利用中の方も、これから利用を検討される方も、自動的に制度の対象となりますのでご安心ください。
すでにサービスを利用している場合
令和7年8月までに既に対象サービスを利用されているお子さんについては、杉並区から令和7年8月下旬頃に新しい「通所受給者証」が郵送される予定です。通所受給者証とは、障害児通所支援サービスを利用するために自治体から交付される証明書のことです。新しい受給者証には、無償化の対象であることを示す「杉並区無償化対象児童(都制度)」という記載が追加されます。この受給者証が届けば、自動的に9月利用分から無償化が適用されます。
これからサービスの利用を申請する場合
令和7年9月以降に初めてサービスの利用を申請するお子さんも、通常のサービス利用申請(児童通所給付費の支給申請)の手続きを行うだけで大丈夫です。杉並区から利用の決定(支給決定)がされると、無償化の対象者として扱われ、同様の記載がされた通所受給者証が発行されます。
まとめ
今回の記事のポイントをまとめます。
- 令和7年9月1日から、杉並区では0歳から2歳のお子さんの児童発達支援などの利用者負担が無償になります。
- 対象サービスは「児童発達支援」「居宅訪問型児童発達支援」「保育所等訪問支援」の3つです。
- 無償化のための特別な申請は不要で、対象者には自動的に新しい通所受給者証が発行されます。
- ただし、食費などの実費負担は引き続き必要です。
経済的な理由でサービスの利用を迷われていた方にとって、今回の制度は大きな後押しとなるはずです。サービスの内容や利用開始の手続きについてご不明な点がある場合や、事業所の選び方などでお困りの際には、杉並区の担当窓口(保健福祉部障害者施策課児童支援係)や、私たちのような障害福祉サービスを専門とする行政書士にご相談いただくことも一つの方法です。この情報が、お子さんとご家族にとって、より良い支援につながるきっかけとなれば幸いです。
【杉並区のお問い合わせ先】
保健福祉部障害者施策課児童支援係
電話番号: 03-3312-2111