東京都の愛の手帳とは?等級から申請方法、受けられるサービスまでわかりやすく解説

投稿:2025年11月29日更新:2025年9月8日コラム , 障害者福祉

東京都にお住まいの知的障害のある方やそのご家族にとって、「愛の手帳」は様々な福祉サービスを受けるための入り口となる、とても大切なものです。しかし、その制度は少し複雑で、どのような種類があり、どうすれば取得できるのか、不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、愛の手帳の基本的な知識から、申請の流れ、そして手帳によって利用できる具体的なサービスまで、順を追って分かりやすくご説明します。

愛の手帳は、福祉サービスを受けるための「パスポート」

愛の手帳は、知的障害のある方が一貫した指導や相談、そして様々な福祉サービスを受けやすくすることを目的とした東京都の制度です。これは、国が定める「療育手帳」制度の東京都における名称であり、いわば都内で福祉サービスを利用するための「パスポート」の役割を果たします。この手帳の根拠は法律ではなく、国からの通知に基づいて各都道府県が独自に要綱を定めて運用しているため、他の道府県から東京都へ転入された場合は、改めて東京の基準で判定を受け直す必要がある点には注意が必要です。障害は個人の側にあるのではなく、社会の側にある様々な障壁によって生まれる、という考え方が大切にされています。

障害の程度は4段階、判定は生活の様子を総合的に判断

愛の手帳における障害の程度は、支援の必要性が最も高い1度(最重度)から、2度(重度)3度(中度)4度(軽度)までの4段階に区分されています。この区分は、受けられるサービスの内容に大きく関わるため、非常に重要です。判定は、単に知能指数(IQ)の数値だけで決まるわけではありません。医師による医学的な診断に加え、専門の職員がご本人やご家族と面談を行い、日常生活でのコミュニケーションの様子、食事や着替えといった身の回りのこと、社会生活への適応能力などを総合的に見て判断されます。ですから、判定の場では、数値だけでは測れない、その方の普段の生活の様子や、どのような支援を必要としているかを具体的に伝えることがとても大切になります。

申請から更新までの手続きと流れ

愛の手帳に関する手続きは、いくつかの重要な段階に分かれています。特に、年齢の節目ごとに行われる再判定は、その後の生活に大きく影響するため、あらかじめ流れを理解しておくことが安心につながります。

新規申請と判定の場所

手帳を新たに取得するための判定は、年齢によって担当する機関が異なります。予約制ですので、まずはお電話で問い合わせてみましょう。

定期的な再判定

愛の手帳は、一度取得すれば終わりではありません。特に、お子様の場合は心身の発達に合わせて適切な支援を受けられるよう、定期的な再判定が定められています。原則として、満3歳、満6歳、満12歳、満18歳の年齢に達した際に再判定を受けることになります。これは、保育園・幼稚園への入園、小中学校への進学、そして成人への移行という、生活環境が大きく変わる節目に合わせて支援内容を見直すための大切な機会です。

住所や氏名が変わったときの手続き

手帳を取得した後に、住所や氏名などに変更があった場合は、届出が必要です。これらの手続きは、杉並区役所の障害者施策課など、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で行います。都外へ転出される場合は、愛の手帳を返還し、転出先の自治体で新たに療育手帳を申請することになります。

手帳で利用できる具体的なサービス例

愛の手帳を所持していることで、日常生活の負担を軽減し、社会参加を促進するための様々なサービスを利用できます。ただし、利用できるサービスは手帳の障害程度や年齢、ご家族の所得状況などによって異なります。

ここに挙げたのはあくまで一例です。具体的なサービス内容や利用要件については、お住まいの市区町村の窓口で確認することが重要です。

まとめ

愛の手帳は、知的障害のある方が東京でその人らしい豊かな生活を送るために、社会とつながるための重要な架け橋です。制度を正しく理解し、判定の際にはご本人の生活の実態をありのままに伝えることが、必要な支援へとつながる確かな第一歩となります。申請手続きや利用できるサービスについて、もしご不明な点やご不安なことがありましたら、一人で抱え込まずにお気軽にご相談ください。障害福祉サービスを専門とする行政書士として、あなたの新しい一歩を誠心誠意サポートさせていただきます。

東京都杉並区の阿佐ヶ谷で活動している行政書士です。
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